始原的隕石とその種類

始原的隕石とその種類

 

地球の石と同じカンラン石や輝石などの
ケイ酸塩鉱物からできている石質隕石
(コンドライト)の中で、

 

固まってから46億年間一度も
溶けてない隕石を始原的隕石と呼びます

 

 

一度も溶けていないといっても、
まったく熱や水の影響を受けていない
わけではなく、

 

隕石によって水や熱の影響を受けた
程度は異なっています

 

 

そこで、水や熱の影響をどのくらい
受けたかで分けた方法が
岩石学的タイプによる分類です

 

 

岩石学的タイプは1〜6まであり、
タイプ6と数字が大きくなるほど熱の影響を受け、
タイプ1と数字が小さくなるほど水の影響を受けています

 

タイプ3が、水、熱両方の影響が最も少ないタイプです

 

 

実際にタイプ3のコンドライトを見ると
コンドリュールがはっきりと丸い粒として
輪郭がはっきりと見れます

 

タイプ4、5のコンドライトを見ると
コンドリュールがあるのかないのか
輪郭がぼやけてきます

 

 

タイプ2になると、今度は水の影響を受けた
できた含水鉱物と呼ばれる鉱物が
見えるようになります

 

 

 

 

始原的隕石はさらに化学的にも分類されて

 

酸素の少ない環境でできたと考えられる
エンスタタイトコンドライト、

 

酸素の多い環境でできたと考えられる
炭素質コンドライト、

 

その中間の環境でできたと考えられる
普通コンドライトの3つに分かれます

 

 

普通コンドライト

 

隕石の中でもっともありふれていて
隕石の中で約80%がこのタイプです

 

 

日本の探査機はやぶさが持ち帰った
小惑星イトカワの石は、
この普通コンドライトでした

 

 

普通コンドライトは
熱や水の影響を受けていない岩石学的タイプ3から
熱の影響を受けるタイプ4、5、6があります

 

普通コンドライトには
水の影響を受けているタイプ1、2にはないです

 

 

普通コンドライトが岩石学的タイプ3
から6があるのは、

 

普通コンドライトを作っていた元の天体(母天体)が
溶けるほどではないけど、ある程度の熱を
受けたからだと考えられています

 

 

普通コンドライトは金属鉄の
多い順にさらに H,L,LLコンドライトに
分けられます

 

 

 

エンスタタイトコンドライト

 

エンスタタイトに含まれる鉄は金属または
硫黄と結びついてトロイライトとして存在
しているので、

 

酸素の少ない環境でエンスタタイト
コンドライトはできたのではと考えられています

 

 

エンスタタイトコンドライトは金属鉄の
多い順に、EH,ELコンドライトに分かれます

 

 

炭素質コンドライト

 

炭素質コンドライトは、熱による影響をほとんど
受けていなくて、他のコンドライトに比べて
軽い元素を除いた元素の組成が太陽の組成に近いので

 

炭素質コンドライトは、コンドライトの中でも
最も始原的な隕石だと考えられています

 

 

炭素質コンドライトは、化学組成や鉱物組成から
さらに主に6つのサブグループである
CI,CM,CV,CR,CO,CKコンドライトに分かれます